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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科74巻5号

2002年04月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度

10.顔面神経減荷術

著者: 村上信五1 渡邉暢浩1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.47 - P.50

文献概要

 はじめに
 側頭骨内を走行する顔面神経の長さは28〜30mmであるが,炎症や外傷により顔面神経が傷害されると浮腫をきたし,骨性の顔面神経管内で絞扼され,神経内圧の上昇と圧迫による循環不全により神経障害が助長される。顔面神経管開放術(減荷術)は骨性の顔面神経管を開放し,厚い神経鞘を切開することにより,神経内圧を減少させ,神経の変性防止と再生促進を目的としている。しかし,顔面神経は側頭骨内で三半規管や蝸牛など内耳に近接しているため,手術時にこれらの器官を損傷したり,乳突蜂巣の削開の際にS状静脈洞や天蓋の脳硬膜を損傷する危険性がある。
 本稿では,経乳突的顔面神経減荷術1)における術中,術後の合併症とその予防,対処について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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