icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科74巻5号

2002年04月発行

文献概要

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度 頸部

40.正中頸嚢胞,側頸嚢胞の手術

著者: 岡本牧人1

所属機関: 1北里大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.191 - P.193

文献購入ページに移動
 はじめに
 正中頸嚢胞は甲状舌管の遺残組織から発生する。舌盲孔から甲状腺峡部の間のどこにでも発生し得る1)(図1)。側頸嚢胞は第2鰓裂の遺残組織で,胸鎖乳突筋前縁部から頸動脈分岐を経て口蓋扁桃の上極までのいずれかの部位に嚢胞性腫瘤,またはダクトを遺残する2,3)(図2)。いずれも先天性疾患であり,部位や腫瘤の性状が特徴的であるので,慣れれば診断ミスをすることは少ない。
 診断において特に注意すべき点は,先天性であるが成人にもみられる(年配になって発症することもある)こと4),上気道炎に伴って消長するなどリンパ節のような臨床症状を呈することがあるなどのポイントを押さえておくことである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?