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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科75巻1号

2003年01月発行

原著

両側上半規管裂隙症候群(superior canal dehiscence syndrome)の1症例

著者: 鈴木光也1 加我君孝1 中村雅子1 中村直也1 江上直也1 小倉恒子2

所属機関: 1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2松戸市民病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.23 - P.26

文献概要

I.はじめに

 瘻孔症状とは,半規管膨大部または耳石器の感覚細胞が圧刺激により病的に刺激されて生じる前庭症状である1)。圧刺激のかわりに強大音によりこれが生じた場合はTullio現象と呼ばれている2)。瘻孔症状およびTullio現象は,真珠腫性中耳炎によって内耳骨包が破壊された場合や外リンパ瘻症例においてしばしば観察される1,3)。近年,上半規管骨迷路の中頭蓋底部分に特発性の骨欠損が生じ,瘻孔症状やTullio現象をきたす上半規管裂隙症候群(superior canal dehiscence syndrome)が報告された4)。この症候群は新しい疾患概念であり,本邦において未だ報告はない。

 今回われわれは,神経耳科学的所見および高分解能CT検査により,上半規管裂隙症候群と診断された症例を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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