文献詳細
原著
ガッセル神経節ブロックを併用し疼痛緩和を行った末期上顎癌患者の1例
著者: 小原健1 高橋雅彦1 山中啓之2 島田哲2 中保利通2 山室誠1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科麻酔・救急医学講座疼痛制御科学分野 2東北大学医学部附属病院緩和医療科
ページ範囲:P.33 - P.35
文献概要
頭頸部癌の患者の80%は癌による痛みを経験するといわれている1)。モルヒネを主体としたWHOガイドライン2)を頭頸部癌患者に用いて疼痛緩和を行い,良好な結果が得られたとする報告は多い1,3,4)。一方,骨および神経に浸潤のあるものの疼痛緩和は困難であったという報告もある5,6)。
今回,モルヒネおよび鎮痛補助薬で疼痛緩和は困難であり,日常生活動作(activity of daily living:ADL)制限をきたした上顎癌の患者に神経ブロックを併用し,良好な結果が得られた症例を経験したので報告する。
掲載誌情報