文献詳細
原著
急性期頸髄損傷例における嚥下障害の発症機序と機能訓練
著者: 伊藤裕之1 金子浩治2 冨田昌夫2 北村啓2 加藤邦孝3 鈴木康司4
所属機関: 1神奈川県リハビリテーション病院耳鼻咽喉科 2神奈川県リハビリテーション病院理学療法科 3東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室 4河北総合病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.58 - P.62
文献概要
1930年代に嚥下障害に対して機能訓練が行われた報告があるが1),嚥下障害の機能訓練が普及し始めたのは1980年以降である。今日では嚥下障害に対する機能訓練の有効性に疑いはないが,機能訓練の効果発現機序や適応は明らかでないものが多い。
最近われわれは,嚥下障害を合併した若年者の頸髄損傷を治療する機会を得て,頸椎前方固定術を受けた急性期脊髄損傷にみられた嚥下障害の発症機序と,嚥下障害に対する機能訓練の効果発現機序について若干の知見を得たので報告する。
掲載誌情報