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原著
皮膚瘻孔を生じた亜急性甲状腺炎(de Quervain)の1例
著者: 佐野真幸12 萩沢美帆1 藤城芳徳1 岩崎真一1 阿部和也1
所属機関: 1東京都立府中病院耳鼻咽喉科 2現籍:公立昭和病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.63 - P.65
文献購入ページに移動亜急性甲状腺炎は,1894年にMygindによりthyroiditis acuta simplexとして初めて報告され1,2),その後1904年にde Quervainが文献より67例を集め,その特異的な病理像を急性非化膿性甲状腺炎として報告したものである2~4)。
熱発,甲状腺の疼痛,全身症状をもって急激に発症し,放置していても数か月で自然治癒することを特徴とする疾患とされる。
しかし,今回われわれは,無痛性の前頸部腫脹として発症し,自然治癒せず経過中に皮膚瘻孔を形成,病理学的に亜急性甲状腺炎と診断された非典型的な症例を経験したので,その発症機転について文献的考察を加え報告する。
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