文献詳細
特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科におけるナビゲーション手術
文献概要
I.はじめに
鼻・副鼻腔手術は,耳鼻咽喉科領域の手術ではナビゲーションシステムの応用が最も早く,1993年のZinreichら1)の報告に始まる。本邦では1998年頃より内視鏡下鼻内手術(以下,ESSと略)における有用性が報告されてきた2~4)。鼻・副鼻腔は元来,解剖学的に複雑な構造を有し,個体差も大きい5)。また眼窩,前頭蓋,視神経などの重要な周辺臓器と副鼻腔を隔てているのは薄い骨壁のみであり,髄液鼻漏や視器損傷といった手術時副損傷の報告があとを絶たない6,7)。しかし,硬性内視鏡が描出する鮮明な術野の画像に,ナビゲーションシステムが表示する3次元的な術野のオリエンテーションが加わることで,より安全で的確な手術操作が可能となる。
本稿では,鼻科領域におけるナビゲーション手術の現状と今後の展望について述べる。
鼻・副鼻腔手術は,耳鼻咽喉科領域の手術ではナビゲーションシステムの応用が最も早く,1993年のZinreichら1)の報告に始まる。本邦では1998年頃より内視鏡下鼻内手術(以下,ESSと略)における有用性が報告されてきた2~4)。鼻・副鼻腔は元来,解剖学的に複雑な構造を有し,個体差も大きい5)。また眼窩,前頭蓋,視神経などの重要な周辺臓器と副鼻腔を隔てているのは薄い骨壁のみであり,髄液鼻漏や視器損傷といった手術時副損傷の報告があとを絶たない6,7)。しかし,硬性内視鏡が描出する鮮明な術野の画像に,ナビゲーションシステムが表示する3次元的な術野のオリエンテーションが加わることで,より安全で的確な手術操作が可能となる。
本稿では,鼻科領域におけるナビゲーション手術の現状と今後の展望について述べる。
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