文献詳細
連載 シリーズ/耳鼻咽喉科診療に必要な他科の知識
⑪セラチア,MRSA,PRSP,PISP,チフス,ジフテリア,マラリア
著者: 横山隆1 桑原正雄2
所属機関: 1安芸市民病院 2県立広島病院総合診療科
ページ範囲:P.913 - P.919
文献概要
20世紀後半には,感染症の治療における進歩,中でも抗菌薬のめざましい開発が感染症との戦いで大きな成果を上げ,もはや感染症との戦いは終わると予言する人さえあった。しかしその後,新興感染症,再興感染症と呼ばれる多くの治療困難な感染症が台頭,21世紀は感染症が重大な問題となると指摘されている。実際にsevere acute respiratory syndrome(SARS)など新たな感染症や,先進国では入院患者でバンコマイシン耐性腸球菌,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌など,外来患者ではペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP),β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ桿菌(BLNAR)など治療に難渋する耐性菌感染症が次々と拡がりつつある。
以下に最近問題となった起炎菌,感染症について簡単な概説を試みる。
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