文献詳細
原著
重症の糖尿病に併発したGradenigo症候群の1例
著者: 湯浅貴文1 大越俊夫1 枝松秀雄2 久保達彦3 川崎主税3 鮫島寛次3
所属機関: 1東邦大学医学部第2耳鼻咽喉科学教室 2獨協医科大学越谷病院耳鼻咽喉科 3東邦大学医学部第2脳神経外科学教室
ページ範囲:P.989 - P.991
文献概要
Gradenigo症候群は外転神経麻痺,三叉神経痛,耳漏を3主徴とし,錐体尖端炎によって生じる症候群であるが,抗生物質の普及した近年ではほとんどみられなくなった。しかし,糖尿病患者の増加や耐性菌の出現,高齢化社会など,感染症に対し抵抗性の弱い宿主の増加で,現在でもなお錐体尖端炎は稀ではあるがみられることに注意しなければならない。
今回われわれは,重症な糖尿病患者でGradenigo症候群を呈した症例を治療したので報告する。
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