文献詳細
原著
頸部筋肉内脂肪腫の1例
著者: 干谷安彦12 平山裕次1 長谷川稔文1 雲井一夫1
所属機関: 1国立姫路病院耳鼻咽喉科 2現籍:西脇市立西脇病院耳鼻咽喉科頭頸部外科
ページ範囲:P.992 - P.995
文献概要
筋肉内脂肪腫は脂肪腫全体の約2%を占める良性軟部組織腫瘍である1)。緩徐に発育し,また無痛性の腫瘤であることから放置されやすく,多くの場合,受診時には比較的大きな腫瘤として認められる。発生部位として大腿四頭筋などの四肢の大きな筋に起こることが多い2,3)。本邦での頭頸部領域における筋肉内脂肪腫の報告は,1987~2003年までの16年間に検索し得た限りでは13例に過ぎない。そのうち10例は舌に発生した筋肉内脂肪腫であった4,5)。
今回われわれは,右頸部の肩甲挙筋に発生した筋肉内脂肪腫を経験したので報告する。
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