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原著
サイバーナイフが著効した鼻・副鼻腔悪性黒色腫の1例
著者: 新井紹之1 原浩貴1 中野智子1 今手祐二1 山下裕司1
所属機関: 1山口大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.139 - P.143
文献購入ページに移動悪性黒色腫は皮膚および粘膜,眼球などのメラノサイトを起源とする悪性腫瘍であり,全悪性腫瘍の中でも非常に悪性度が高く,予後不良な疾患の1つである1)。頭頸部領域では口腔(口蓋,歯肉),鼻・副鼻腔に発生することが多い1)。治療は手術を中心とし,化学療法,免疫療法,ホルモン療法,放射線療法を併用する集学的治療が行われている1)。しかし,頭頸部領域の中で鼻・副鼻腔領域に発生したものについては,解剖学的に眼球,視神経,脳など重要な臓器が近接していることから,十分な安全域をつけての拡大手術は困難になることが多い1)。
今回,われわれは,87歳男性の鼻・副鼻腔に発生した悪性黒色腫に対し,サイバーナイフによる治療を施行し,腫瘍の縮小効果および腫瘍出血に対する止血効果を認めたので文献的考察を含めて報告する。
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