文献詳細
原著
中咽頭癌前壁型に対する舌骨上咽頭切開アプローチと舌弁後方移動術による再建を施行した1例
著者: 横山純吉14 鈴木貴博2 渡辺健一1 日高浩史1 欠畑誠治3 水谷伸1 大島猛史1
所属機関: 1いわき市立総合磐城共立病院耳鼻咽喉科 2東北大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科 3弘前大学医学部耳鼻咽喉科 4現籍:栃木県立がんセンター頭頸科
ページ範囲:P.225 - P.228
文献概要
中咽頭癌前壁型に対する手術経路として経口法,下顎離断法,経頸部法がある。再建材料は遊離皮弁や有形皮弁の遠隔皮弁が多く使用されている。
今回われわれは,中咽頭癌前壁型(T3N1 M0)症例に対し,舌骨上咽頭切開アプローチで腫瘍を摘出し,舌弁後方移動術(set-back tongue flap)により再建した。本法は,舌動脈と舌下神経が温存可能な症例には顔面や下顎骨に切開を入れないので,機能的にも審美的にも優れ,手術時間や在院日数の短縮にも役立つものと考えられた。
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