文献詳細
原著
反復性めまい発作を呈したUsher症候群III型症例
著者: 鈴木伸嘉12 佐々木修1 工穣1 宇佐美真一1
所属機関: 1信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2現籍:長野赤十字病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.273 - P.276
文献概要
Usher症候群(USH)は網膜色素変性症と感音難聴を合併する常染色体劣性遺伝疾患であり,先天性高度難聴の3~6%を占めるとされている1)。USHは臨床経過によりI型(USH1)からIII型(USH3)に分類され2),特に進行性感音難聴と前庭障害を特徴とするIII型はUSHのうち1%程度にみられる稀な疾患である1)。その難聴の進行経過と前庭障害との関連に関する詳細な報告はほとんどされていない。
今回われわれは,変動する感音難聴と,それに伴って回転性めまい発作を反復したUSH3に該当すると思われる症例を経験したので,文献的考察を加え報告する。
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