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原著
副鼻腔に発生したコレステリン肉芽腫の3例
著者: 山本昌範1 石井甲介1 椿恵樹1 阿部弘一1 大森義男2 岩佐英明2
所属機関: 1自治医科大学附属大宮医療センター耳鼻咽喉科 2自治医科大学附属大宮医療センター脳神経外科
ページ範囲:P.286 - P.291
文献購入ページに移動耳鼻咽喉科領域において,コレステリン肉芽腫は主に中耳に発生し,副鼻腔に発生するコレステリン肉芽腫は比較的稀であるとされる1~6)。
今回われわれは,副鼻腔に発生したコレステリン肉芽腫を3例経験したので,文献的考察を加えて報告する。
コレステリン肉芽腫の診断は臨床所見に加えて,多くは画像診断によることが多いとされる。CT所見では近接する脳組織とほぼ同等の濃度を示し,コントラストがつかないことが多い。他方で,MRI所見では典型的にはT1,T2ともに高信号を呈することが知られている。その場合,鑑別診断として貯留性囊胞,腫瘍などがある。腫瘍との鑑別がつかない場合は,今回の報告例のように開頭術による手術操作が必要な場合もある。術式は通常の貯留囊胞と同様に十分開放させることが重要である。
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