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連載 シリーズ/耳鼻咽喉科診療に必要な他科の知識
④産婦人科:妊娠と薬物療法
著者: 鎌田正晴1 大頭敏文1 桂真澄1 美馬加奈子1
所属機関: 1健康保険鳴門病院産婦人科
ページ範囲:P.331 - P.335
文献購入ページに移動WHOの調査(1992年)では,妊婦の86%に1~15種類,平均して3種類の薬剤が投与されている。そのうち12%が産婦人科医以外の医師の処方である1)。母体と胎児には血管の交通はなく,一見隔絶されているように思われるが,胎盤は決してバリアーの役目を果たさず,妊婦に投与された薬剤は全て胎児に移行すると考えなければならない。すなわち妊娠中の薬物療法は,可能な限り胎児への影響が少ない薬剤を選択し,必要最小限にとどめるべきである。
本稿では,耳鼻咽喉科領域で使用される薬剤を中心に,胎児への影響,投与法などを述べる。
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