文献詳細
特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の機能検査―何がどこまでわかるか―
I.聴覚検査
文献概要
I.はじめに
聴性脳幹反応(auditory brainstem response:ABR)はSohmerら1),Jewettら2,3)によって報告された反応である。陽性電位を上向きに記録すると,音刺激後10ms以内に6~7つの陽性ピークをもつ加算波形が得られる。
音刺激により頭皮上から記録される反応にはほかに頭頂部緩反応(slow vertex response:SVR)や聴性中間反応(middle latency response:MLR)もあるが,本反応は睡眠の影響を受けにくいこと,反応波形が再現性をもち,かつ各ピーク潜時が一定していることなどから,他覚的聴力検査のみならず,脳神経科学的な応用も盛んに行われている。
本稿では聴性脳幹反応の基礎から臨床応用の実際に至る範囲を概説する。
聴性脳幹反応(auditory brainstem response:ABR)はSohmerら1),Jewettら2,3)によって報告された反応である。陽性電位を上向きに記録すると,音刺激後10ms以内に6~7つの陽性ピークをもつ加算波形が得られる。
音刺激により頭皮上から記録される反応にはほかに頭頂部緩反応(slow vertex response:SVR)や聴性中間反応(middle latency response:MLR)もあるが,本反応は睡眠の影響を受けにくいこと,反応波形が再現性をもち,かつ各ピーク潜時が一定していることなどから,他覚的聴力検査のみならず,脳神経科学的な応用も盛んに行われている。
本稿では聴性脳幹反応の基礎から臨床応用の実際に至る範囲を概説する。
掲載誌情報