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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科75巻5号

2003年04月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の機能検査―何がどこまでわかるか―

V.めまい検査

4.眼球運動検査 ①裸眼下での検査

著者: 飯田政弘1

所属機関: 1東海大学医学部感覚学系耳鼻咽喉科学部門

ページ範囲:P.123 - P.126

文献概要

I.はじめに

 裸眼下での眼球運動検査は,自発眼振(spontaneous nystagmus)と注視眼振(gaze nystagmus)を調べる検査に大別される。狭義でいう自発眼振は視覚条件にかかわらず正眼位(第一眼位)で認められる眼振を指し,注視眼振は裸眼下で左右および上下を注視した状態で認められる眼振をさす(表1)。

 眼振(nystagmus)は性状から次の2つに分類される。緩徐相(slow phase)と急速相(quick phase)とからなる衝動性眼振(jerky nystagmus)と,一定速度の往復運動からなる振子様眼振(pendular nystagmus)である。衝動性眼振の緩徐相は末梢および中枢前庭系の左右不均衡によって生じる眼球偏位であり,急速相は偏位した眼球を元の位置に戻そうと働く脳幹からの眼球運動である1)。振子様眼振には先天性眼振(congenital nystagmus)と,後天性振子様眼振(aquired pendular nystagmus)がある2)。先天性眼振ではめまい・平衡障害が少なく,閉眼で抑制される傾向にあり,視運動性刺激で倒錯現象(inversion)や無反応になり,交代性眼振(nystagmus alternans)や潜伏性眼振(nystagmus latens)がみられることがあり,家族性に発症することが多いとされる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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