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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科75巻5号

2003年04月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の機能検査―何がどこまでわかるか―

V.めまい検査

5.迷路刺激検査 ①温度刺激検査

著者: 石川和夫1

所属機関: 1秋田大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.137 - P.144

文献概要

I.はじめに

 外耳道に注水すると眼振が生じることを初めて見いだしたのは,ウィーンの耳鼻科医Robert Baranyである。20世紀初めに開発されたこの検査法は,その具体的な検査法において多少の変遷はあるものの,現在もなお広く前庭半規管(外側半規管)機能検査として用いられている。国際的に統一された検査の施行手順はないが,手技が容易で外来でも簡単に施行でき,半規管機能を左右個別に検査することができるメリットを有する。しかし,温度刺激自体は外側半規管の適刺激ではない。このため,検査の方法や結果の判定には,十分に注意を払わなければならない。

 最近は,注水に代わって冷風や温風を外耳道に送風して行うエアーカロリックテストも用いられるようになってきており,その基準化も検討されてきている1)。十分な臨床データはまだないが,将来的には臨床応用が進む可能性があるので,参考として短く説明する。

 温度刺激検査(caloric test)は,温度眼振検査とも呼ばれてきたが,用語的には,現在「温度刺激検査」で統一されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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