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原著
両側顔面神経麻痺を発症したHTLV-I関連脊髄症(HAM)の1例
著者: 杉浦むつみ1 石橋誠也2 茂木立学3 大前由紀雄1 池田稔3 日野太郎2 椎名盟子2
所属機関: 1東京都老人医療センター耳鼻咽喉科 2東京都老人医療センター神経内科 3日本大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.359 - P.362
文献購入ページに移動HTLV-I関連脊髄症(human T-cell lymphotropic virus type I associated myelopathy:HAM)は,1986年に納ら1)により報告されたHTLV-I感染により発症する脊髄障害を主とした神経疾患である。本疾患は一過性に脳神経症状を伴うことがあり,顔面神経麻痺の陽性率は3.5%との報告がある2)。しかし,陽性率が記載されている報告はあるものの,HAMにおける顔面神経麻痺についての症例報告やその詳細についての報告は,われわれが検索した限りでは,これまでになされていない。
今回われわれは,両側の顔面神経麻痺を発症したHAMの1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。
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