文献詳細
原著
顔面神経麻痺をきたした乳児耳下腺血管腫の1例
著者: 松本理恵1 前田学1 西﨑和則1 斉藤龍介2
所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究所耳鼻咽喉・頭頸部外科 2岡山済生会総合病院耳鼻咽喉科 3現籍:住友別子病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.465 - P.468
文献概要
小児の耳下腺腫瘍は稀な疾患であり,Nagaoら1)は584例中16歳以下が36例(6.2%),Skolnikら2)は391例中20例(5.1%)と報告している。また,多形腫を中心とする上皮性腫瘍が主な成人と異なり,小児では血管腫が多いとされる1)。小児耳下腺血管腫は良性のことがほとんどであり,経過観察や保存的治療が第1選択であるが,症例によっては手術を考慮する必要がある。
われわれは,顔面神経麻痺をきたし手術的治療を行うに至った乳児耳下腺血管腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
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