文献詳細
原著
顔面に巨大血腫を形成した神経線維腫症例
著者: 熊切健一1 武林悟2
所属機関: 1静岡済生会総合病院耳鼻咽喉科 2浜松医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.473 - P.476
文献概要
神経線維腫症は,皮膚のcafé-au-lait spotと神経線維腫を主病変に,多彩な症候を呈する全身性疾患である。本症の合併症として,骨病変や中枢性神経腫瘍の発生頻度は高いが,出血に関してはあまり知られていない。
今回われわれは,神経線維腫症の小児において外傷により顔面,頸部に巨大な血腫を形成し,進行性の気道狭窄をきたし,気管内挿管による気道確保ののちに,動脈塞栓術と外頸動脈結紮を行い止血し得た症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
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