文献詳細
文献概要
原著
頸部リンパ節転移で発見された扁桃オカルト癌
著者: 富所雄一1 小林泰輔1 中村光士郎1 吉田正1
所属機関: 1愛媛県立中央病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.489 - P.492
文献購入ページに移動頸部腫瘤を摘出して病理組織学的検査を行い転移性癌と判明した場合,種々の検査を行い原発巣検索が行われる。しかし,精査を行っても原発巣が発見できず原発不明癌として治療される患者の割合が全頭頸部癌の1~5%1)を占めている。これら原発不明癌として一次治療を開始された症例のうち,10~30%2)でのちに原発巣が判明するとされる。最近このような症例で,比較的高率に口蓋扁桃に原発巣が発見されたという報告が散見される3)。
今回われわれは頸部転移性扁平上皮癌症例で,原発巣の検索に難渋しながらも,口蓋扁桃の病理組織学的検査で一次治療開始前に原発巣が判明した症例を経験したので報告する。
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