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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科75巻9号

2003年08月発行

文献概要

医療ガイドライン

話題の感染症up-to-date

著者: 山口惠三1 松本哲哉1 古谷信彦1

所属機関: 1東邦大学医学部微生物学講座

ページ範囲:P.658 - P.663

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I.はじめに

 感染症の出現と伝播は,宿主と病原菌,そして環境の相互関係に大きく影響される。したがって,社会環境の変化は必然的に感染症の変貌に深く関わってきた。近年の爆発的な人口の増加とそれに伴うヒトの移動や大規模な森林開発は,ヒトと動物の生態系コントロールを大きく乱しつつある。自然の破壊は,それまで密林の奥深くに潜んでいた未知の病原体やその保菌動物あるいは昆虫などにヒトが直接あるいは間接的に接触する機会を増大ならしめた。エボラウイルス,エイズウイルスなど人類がかつて遭遇したことのない新たな病原体による感染症の出現もそのことと関係があるように思われる。また,コレラ,デング熱,黄熱病などのように古くから存在していたものの一部の地域に限られていた感染症の世界的再流行は,国際交流の活性化に伴う輸入感染症の増加として捉えることができる。わが国においても,通常は経験することがないような感染症がしばしば国外から持ち込まれ,診断の遅れが原因で不幸な転帰をとった例もかなり報告されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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