耳鼻咽喉科・頭頸部外科75巻9号

2003年08月発行

連載 シリーズ/耳鼻咽喉科診療に必要な他科の知識

⑧眼科

著者： 藤本尚也¹

所属機関： ¹千葉大学大学院医学研究院視覚病態学

ページ範囲：P.665 - P.667

I．はじめに

　眼と副鼻腔はその解剖学的位置から様々な疾患を引き起こし，常に眼主訴，眼疾患の原因として副鼻腔疾患を考えなくてはならない。視力障害，視野障害，複視，眼痛，眼球偏位，眼球突出，眼瞼腫脹，眼瞼下垂などの主訴，鼻性視神経症，眼球運動障害，眼窩蜂窩織炎などの疾患が考えられる。また，眼窩疾患の副鼻腔への影響として眼窩底骨折がある。唾液腺分泌障害と涙液分泌障害を伴うSjögren症候群がある。