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特集 頭頸部癌の治療指針―私たちはこうしている― 7.上顎癌T3~T4症例の治療指針
2)少線量放射線療法
著者: 八尾和雄1
所属機関: 1北里大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.685 - P.691
文献購入ページに移動I.はじめに
上顎洞癌のわれわれの治療方法は,教室の高橋ら1~3)が,佐藤ら4~6)の集学治療である三者併用療法を継承し,思案を重ね,画一化した北里方式である。この方法の手術に関しては,腫瘍をその進展に沿って摘出する減量手術であるため,慢性副鼻腔炎の手術ができる者なら手術が可能な方法である。また放射線量,化学療法剤の使用量も,腫瘍の進行度,病理組織学的違いに関係なく,一定のやり方で治療する。この治療の結果は,顔面の醜形と構音,咀嚼,嚥下機能の障害が極めて少なく,治癒後の創部の痂皮の付着,悪臭など日常生活に支障をきたすことも少ない。したがって早期に社会復帰が可能となり,大きな利点である。さらに,臨床成績は従来のen-blockに摘出し,過大な放射線量,化学療法剤使用量で治療した報告7~9)より優れている。
本稿では,この北里方式で治療した上顎洞癌に関して報告する。使用したTNM分類は,1997年のUICC分類である。
上顎洞癌のわれわれの治療方法は,教室の高橋ら1~3)が,佐藤ら4~6)の集学治療である三者併用療法を継承し,思案を重ね,画一化した北里方式である。この方法の手術に関しては,腫瘍をその進展に沿って摘出する減量手術であるため,慢性副鼻腔炎の手術ができる者なら手術が可能な方法である。また放射線量,化学療法剤の使用量も,腫瘍の進行度,病理組織学的違いに関係なく,一定のやり方で治療する。この治療の結果は,顔面の醜形と構音,咀嚼,嚥下機能の障害が極めて少なく,治癒後の創部の痂皮の付着,悪臭など日常生活に支障をきたすことも少ない。したがって早期に社会復帰が可能となり,大きな利点である。さらに,臨床成績は従来のen-blockに摘出し,過大な放射線量,化学療法剤使用量で治療した報告7~9)より優れている。
本稿では,この北里方式で治療した上顎洞癌に関して報告する。使用したTNM分類は,1997年のUICC分類である。
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