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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科76巻11号

2004年10月発行

原著

鼻涙管に生じた低分化腺癌の1症例

著者: 我妻道生1 工穣1 原田大輔1 細田和貴2 弓削勇1 海沼和幸1 宇佐美真一1

所属機関: 1信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2信州大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.778 - P.781

文献概要

I.はじめに

 鼻涙管閉塞は高齢者に多く,感染や外傷,鼻腔内の炎症などによって生じる。流涙を主訴として眼科を受診し抗生剤点眼,鼻涙管ブジーなどで保存的に治療されることが多い。涙囊や鼻涙管に発生する癌は稀であり,初期症状は鼻涙管閉塞症状のみの場合が多く,早期には鼻涙管閉塞症と診断され発見が遅れる場合が多い。われわれが検索した限りでは,涙囊癌は世界で約300例の報告がある1~3)。これに比べ,鼻涙管原発の悪性腫瘍は6例の報告のみであり,極めて稀である。組織型も扁平上皮癌,腺癌,リンパ上皮腫など様々である4,5)

 今回,鼻涙管に生じた低分化腺癌を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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