文献詳細
原著
急性呼吸困難を生じたポリープ様声帯症例
著者: 杉山庸一郎12 出島健司1 日向誠1 丁剛1 福島一登1 光澤知美1
所属機関: 1京都第二赤十字病院耳鼻咽喉科・気管食道科 2社会保険神戸中央病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.783 - P.786
文献概要
ポリープ様声帯とは,声帯膜様部の全長にわたりび漫性に浮腫を生じるものとされている1)。40歳以上の喫煙者に多く,その臨床症状は嗄声,咳,痰,咽喉頭異常感などが主である。呼吸困難は比較的少ないとされているが,米川ら1)は149例中9例に呼吸困難を認めたと報告している。ただし,急性呼吸困難により緊急気管切開が必要になった症例は極めて稀で,われわれが渉猟し得た範囲では4例の報告を認めるのみである2~5)。
今回われわれは,ポリープ様声帯により急性呼吸困難をきたした症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。
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