文献詳細
鏡下咡語
文献概要
1.はじめに
世の中には,納得のゆかない既成概念が結構多く存在する。医学医療の分野においても同様である。それらは,不注意な混同や一寸した早合点の思い込みなどによって成り立っていることが多い。本稿では,医療の中で,かねがね筆者が疑問に思っている,いわゆるFNAの頭頸部腫瘍診断への応用を話題として取り上げて考えてみたい。稿を進めるにあたり,まず,本題に対する筆者のスタンスを明確にしておきたい。筆者は,頭頸部腫瘍の診断に対するFNA施行に否定的である。ちなみに,その根拠となるいわば医療哲学は,筆者の医学医療の経験過程,つまり筆者が臨床病理医として剖検(autopsy)を含めた病理形態学的診断に携った体験に基づく。
世の中には,納得のゆかない既成概念が結構多く存在する。医学医療の分野においても同様である。それらは,不注意な混同や一寸した早合点の思い込みなどによって成り立っていることが多い。本稿では,医療の中で,かねがね筆者が疑問に思っている,いわゆるFNAの頭頸部腫瘍診断への応用を話題として取り上げて考えてみたい。稿を進めるにあたり,まず,本題に対する筆者のスタンスを明確にしておきたい。筆者は,頭頸部腫瘍の診断に対するFNA施行に否定的である。ちなみに,その根拠となるいわば医療哲学は,筆者の医学医療の経験過程,つまり筆者が臨床病理医として剖検(autopsy)を含めた病理形態学的診断に携った体験に基づく。
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