文献詳細
原著
側頭骨内顔面神経鞘腫4症例の検討
著者: 吉野貴彦1 曾根三千彦1 藤本保志1 安藤篤2 斎藤清3 中島務1
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器科学講座耳鼻咽喉科 2愛知県がんセンター頭頸部外科 3名古屋大学大学院医学系研究科脳神経病態制御学講座
ページ範囲:P.861 - P.864
文献概要
顔面神経鞘腫は末梢性顔神麻痺の原因の約5%を占めるといわれている1)。近年の画像検査の進歩に伴いその報告も増えており2~5),無症候性のもので,剖検にて初めて診断されたという報告もある6)。しかし,本疾患は進行が比較的緩徐であることから,症状が発現し診断がつくころには広範囲に進展して,侵襲の大きな手術が必要となることがある。
今回われわれも,顔神麻痺が発現して1年以上経ってから,顔面神経鞘腫と診断され手術を行った症例を経験したので,当院で過去6年間に経験した他の3例と合わせて検討するとともに,若干の文献的考察を加えた。
掲載誌情報