文献詳細
特集 人工聴覚手術の現況
文献概要
I.はじめに
生体組織が埋込まれたチタンに融け込むという能力はスウェーデンのBranemarkらによって報告され1),「Osseointegration」として提唱された。それによると,「Osseointegration」は生体骨と荷重を伴っている移植片表面間の構造的かつ機能的な分子レベルの接続であるという。そして,現在のところチタンは,経皮的に骨に埋め込む素材として,最も安全性が確立されている。
埋め込み型骨導補聴器(bone-anchored hearing aid:BAHA)はチタンのこのような性質を利用した半埋め込み型の骨導補聴器で(図1,2),1977年にスウェーデンにおいて最初の骨導端子の埋め込みが行われて以来,現在までに10か国以上で10,000例以上の手術が施行されている。特に,米国において1996年にメディケアによる保険償還コードが付与され,事実上の保険適用になってからその数は加速度的に増加している。
生体組織が埋込まれたチタンに融け込むという能力はスウェーデンのBranemarkらによって報告され1),「Osseointegration」として提唱された。それによると,「Osseointegration」は生体骨と荷重を伴っている移植片表面間の構造的かつ機能的な分子レベルの接続であるという。そして,現在のところチタンは,経皮的に骨に埋め込む素材として,最も安全性が確立されている。
埋め込み型骨導補聴器(bone-anchored hearing aid:BAHA)はチタンのこのような性質を利用した半埋め込み型の骨導補聴器で(図1,2),1977年にスウェーデンにおいて最初の骨導端子の埋め込みが行われて以来,現在までに10か国以上で10,000例以上の手術が施行されている。特に,米国において1996年にメディケアによる保険償還コードが付与され,事実上の保険適用になってからその数は加速度的に増加している。
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