icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科76巻2号

2004年02月発行

原著

突発性難聴に対するPGE1の有効性―ステロイド無効例への使用―

著者: 平位知久1 木村信次1 野田礼彰1 森直樹1 藤井守2

所属機関: 1厚生連尾道総合病院耳鼻咽喉科 2中電病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.137 - P.141

文献概要

I.はじめに

 突発性難聴に対して,これまでに確立された治療法はなく,ステロイド,循環改善剤,高圧酸素療法,星状神経節ブロック,ビタミン剤など種々の治療が各施設ごとに行われているのが現状である。この中でも,ステロイドが治療の主体となっている施設は多い。しかし,症例によってはステロイドで十分な効果が得られないことがある。PGE1は内耳の血流を改善する目的で突発性難聴の治療に使用されてきた1~3)。これまでにも,ステロイド無効例に対してPGE1を投与したという報告はあるが4,5),これらはステロイドを7日間以上投与したのちに,PGE1の投与を開始している。

 今回,ステロイドによる治療開始3日目と,より早期の段階でステロイドの効果判定を行い,無効例に対してPGE1の併用投与を開始した。その結果,良好な聴力成績を得ることができた。突発性難聴に対する新しい治療法の1つとして提案したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら