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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科76巻3号

2004年03月発行

特集 好酸球性中耳炎

2.好酸球性中耳炎の病態

著者: 野中学1

所属機関: 1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.179 - P.183

文献概要

I.はじめに

 中耳貯留液中に好酸球浸潤を伴い,治療に抵抗性の滲出性中耳炎は好酸球性中耳炎と呼ばれている。気管支喘息患者に発症することが圧倒的に多い。したがって,滲出性中耳炎を診察する場合に,好酸球性中耳炎かどうか疑うには,患者が気管支喘息に罹患しているかどうか確かめることは大変重要である。また,気管支喘息は慢性副鼻腔炎を高率に合併し,鼻茸・副鼻腔粘膜には好酸球浸潤が多く認められる。感染性の慢性副鼻腔炎と比較して難治性である。4つの副鼻腔(上顎洞,前頭洞,篩骨洞,蝶形骨洞)に次いで,中耳を5番目の副鼻腔と考えると,気管支喘息,慢性副鼻腔炎,好酸球性中耳炎は全て気道の好酸球性炎症である。ときに同時に罹患する。

 本稿では,これまで研究された好酸球性炎症に重要な因子を紹介し,気道好酸球性炎症に重要な因子と好酸球性中耳炎との関係を中心に,好酸球性中耳炎の病態を述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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