文献詳細
原著
真珠腫性中耳炎の術後に合併した脳膿瘍
著者: 山田弘之1 石田良治1 丹羽恵彦2
所属機関: 1山田赤十字病院耳鼻咽喉科 2山田赤十字病院脳神経外科
ページ範囲:P.305 - P.308
文献概要
耳疾患が原因となる頭蓋内合併症は,抗生物質が発達し,CTなどの画像診断が普及した今日では稀と考えられている。しかし,いったん合併すればその症状は重篤で,見逃すことは許されず,常に念頭に置くべきである。これまで耳性頭蓋内合併症の報告は決して少なくないが,そのほとんどは中耳炎が直接波及した場合である。
今回,真珠腫性中耳炎の手術後に発生した脳膿瘍の1例を経験した。この症例は真珠腫性中耳炎の術前・術中に直接波及している所見を有さず,脳膿瘍の発症が遅発性であったことから,その発生機序,感染経路を中心に文献的考察を行った。
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