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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科76巻5号

2004年04月発行

文献概要

特集 上気道アレルギーを診る 4.鼻アレルギーの治療

3)鼻アレルギーの新しい治療の可能性

著者: 岡野光博1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科

ページ範囲:P.91 - P.98

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I.はじめに

 鼻アレルギーの治療は,①抗原の除去・回避,②薬物療法,③免疫療法,④手術療法などに分けられる。そのうち現時点で治癒または長期寛解を期待できる唯一の治療法は特異的免疫療法(減感作療法)である。しかし,効果発現が遅い点や稀にアナフィラキシーなどの重篤な副反応を生じることから,一般の普及に至っていないのが現状である。一方,鼻アレルギーの感作および発症機序が明らかとなり,根治のために制御すべき因子が明らかになりつつある(図1)。さらに近年,免疫寛容(tolerance)のメカニズムに関する研究が進んできている。

 本稿では,古典的な特異的免疫療法に代わり得る,より即効性でかつ安全性が高く新しい根治療法となり得る治療法を紹介し,その臨床応用の可能性および考えられる問題点について概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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