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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科76巻5号

2004年04月発行

特集 上気道アレルギーを診る

7.鼻アレルギーと喘息

2)鼻アレルギーが成人喘息に及ぼす影響

著者: 辻文生1 東田有智1

所属機関: 1近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科

ページ範囲:P.133 - P.140

文献概要

I.はじめに

 アレルギー疾患は現代病といわれ,近年わが国のみならず,世界的にも増加の傾向にある。上気道のアレルギー疾患であるアレルギー性鼻炎と下気道のアレルギー疾患である気管支喘息(以下,喘息と略)においてもその例外ではない。それぞれの疾患は,主に耳鼻咽喉科そして内科と異なる科が扱う疾患であり,しかも標的気管も異なるため独立した疾患と捉えられ,独自に研究や開発が進められ,治療法が確立されてきた。しかし,最近10年間にそれぞれの科の枠を超え,その両者の密接な関連性は疫学的研究や臨床所見により明らかにされ,同時に免疫学的研究や治療に対する反応性などによって裏づけられるようになってきた。そこで,アレルギー性鼻炎と喘息の関係において“one airway,one disease(1つの気道,1つの疾患)”という新しい概念が提唱されるようになった。つまり,アレルギー性鼻炎と喘息は,同じ気道の炎症に特徴づけられる疾患であり,上気道の変化は,下気道に影響を及ぼす可能性があるという概念を示したものであるが,まだまだ確立されたものではなく賛否両論がある。

 本稿では,アレルギー性鼻炎と喘息における疫学的関係,臨床研究,病態生理そして治療法などの種々の側面から過去の知見を紹介し,アレルギー性鼻炎が成人喘息に及ぼす影響について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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