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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科76巻5号

2004年04月発行

特集 上気道アレルギーを診る

8.口腔アレルギー症候群(OAS)

口腔アレルギー症候群の診断と治療

著者: 安部裕介1 原渕保明1

所属機関: 1旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室

ページ範囲:P.141 - P.147

文献概要

I.はじめに

 口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)は,1987年にAmlotら1)によって,原因となる特定の食物を摂取することによって生じる口腔,咽頭粘膜のIgE抗体を介したⅠ型アレルギー反応による一連の症状を呈する症候群として提唱された。食物摂取後15分以内に口唇や口腔粘膜の腫脹,かゆみ,ヒリヒリ感などで発症する。口腔咽頭症状のみならず,ときには喘鳴,喉頭浮腫などの喉頭症状,蕁麻疹や血管浮腫などの皮膚症状,腹痛,下痢などの消化器症状,さらに喘息発作やアナフィラキシーショックなどが出現する(表1)。そば,卵などの食物アレルギーによって生じる口腔症状も広い意味でOASに含まれるが,本症の最も重要な特徴は花粉症患者に高頻度に発症し,その原因食物の多くは果実であることである。特にシラカンバ花粉症患者における発症率は欧米では70%2~4)と極めて高い。花粉症以外にはラテックスアレルギー患者にもlatex-fruits syndrome5)として,約50%に発症することがいわれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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