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特集 頭頸部癌の治療指針―私たちはこうしている― 1.頭頸部癌は増えているか
1)頭頸部癌の疫学
著者: 吉野邦俊1
所属機関: 1大阪府立成人病センター耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.345 - P.350
文献購入ページに移動I.はじめに
わが国で初めて癌(悪性新生物)が死因の第1位を占めるようになったのは1981年であるが,それ以降死因のトップを続けており,第2位の心疾患,第3位の脳血管疾患を大きく引き離しつつある(図1)。最新の「人口動態統計」によると,2001年の全癌死亡数は300,658人で,男性181,393人,女性119,265人であり,それぞれ総死亡数の34.3%,27.0%を占めている。すなわち3人に1人は癌のために命を落とす時代になっており,その対策が目下の急務となっている。それでは,果たして頭頸部癌についてはどうなっているのであろうか。癌専門施設の現場では,喉頭癌よりも口腔,咽頭癌(特に下咽頭癌)が最近目立つような印象があるが,本当にそうなのか。上顎癌は減少しているが,最近の傾向はどうなのか。
本稿では,最近の頭頸部癌の動向について疫学のデータを基に,臨床の立場から述べたい。
わが国で初めて癌(悪性新生物)が死因の第1位を占めるようになったのは1981年であるが,それ以降死因のトップを続けており,第2位の心疾患,第3位の脳血管疾患を大きく引き離しつつある(図1)。最新の「人口動態統計」によると,2001年の全癌死亡数は300,658人で,男性181,393人,女性119,265人であり,それぞれ総死亡数の34.3%,27.0%を占めている。すなわち3人に1人は癌のために命を落とす時代になっており,その対策が目下の急務となっている。それでは,果たして頭頸部癌についてはどうなっているのであろうか。癌専門施設の現場では,喉頭癌よりも口腔,咽頭癌(特に下咽頭癌)が最近目立つような印象があるが,本当にそうなのか。上顎癌は減少しているが,最近の傾向はどうなのか。
本稿では,最近の頭頸部癌の動向について疫学のデータを基に,臨床の立場から述べたい。
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