文献詳細
特集 頭頸部癌の治療指針―私たちはこうしている―
3.ルビエールリンパ節転移の治療方針―下咽頭癌を中心に―
文献概要
I.はじめに
下咽頭癌の予後を左右する因子として,咽頭後リンパ節転移の有無が重要であることは知られており1~3),咽頭後リンパ節に転移を認める症例や転移の可能性が高い症例に対して,多くの施設で同部の郭清が行われている4)。しかし,その対処法には施設間で相違があるように思われる。それは,咽頭後リンパ節郭清の有用性や郭清後の合併症の頻度,また咽頭後リンパ節非郭清例の同部再発が予後にどの程度重要で,再発に対する救済治療が可能であるかが明らかになっていない5)からであると思われる。
本稿では,術前に咽頭後リンパ節転移を認めず,下咽頭癌再建手術時に咽頭後リンパ節郭清を行わなかった症例で,経過観察中に同部再発を認めた症例を対象に,われわれの救済治療の経験を述べ,下咽頭癌治療における咽頭後リンパ節の取り扱いについて考察する。
下咽頭癌の予後を左右する因子として,咽頭後リンパ節転移の有無が重要であることは知られており1~3),咽頭後リンパ節に転移を認める症例や転移の可能性が高い症例に対して,多くの施設で同部の郭清が行われている4)。しかし,その対処法には施設間で相違があるように思われる。それは,咽頭後リンパ節郭清の有用性や郭清後の合併症の頻度,また咽頭後リンパ節非郭清例の同部再発が予後にどの程度重要で,再発に対する救済治療が可能であるかが明らかになっていない5)からであると思われる。
本稿では,術前に咽頭後リンパ節転移を認めず,下咽頭癌再建手術時に咽頭後リンパ節郭清を行わなかった症例で,経過観察中に同部再発を認めた症例を対象に,われわれの救済治療の経験を述べ,下咽頭癌治療における咽頭後リンパ節の取り扱いについて考察する。
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