文献詳細
原著
頸部交感神経鞘腫の1例
著者: 平木信明1 宇高毅1 北村拓朗1 藤吉達也1 吉田雅文1 鈴木秀明1
所属機関: 1産業医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座
ページ範囲:P.481 - P.485
文献概要
副咽頭間隙に発生する腫瘍のうち神経鞘腫は稀な腫瘍ではないが,特徴的な臨床症状に乏しいことが多いため,神経脱落症状を伴っていない症例では術前に診断を確定することは非常に困難である。しかし神経鞘腫であった場合,手術により神経の脱落症状を余儀なくされることも想定されるため,術前に組織型や由来神経を含めた診断を推測することは,十分なインフォームド・コンセントを行ううえで重要と考えられる。
今回われわれは,術前に画像診断によって由来神経まで推測し得た交感神経鞘腫を経験したので本症例の病態について考察するとともに,神経鞘腫における画像診断の意義について検討し報告する。
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