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特集 頭頸部癌の治療指針―私たちはこうしている― 4.下咽頭癌の治療―切除範囲と再建―
1)下咽頭部分切除・喉頭半切除
著者: 兵藤伊久夫1 長谷川泰久1
所属機関: 1愛知県がんセンター頭頸部外科
ページ範囲:P.515 - P.519
文献購入ページに移動I.はじめに
下咽頭癌手術症例では,治療成績の蓄積と再建方法の確立により術後のQOLを重視した切除,再建が求められる。下咽頭癌手術は,下咽頭全摘,亜全摘,部分切除とその切除範囲,切除方法により様々な皮弁の選択や再建が行われている。下咽頭部分切除術は喉頭機能を温存し気道発声が可能であるが,さらには術後の嚥下障害の生じない,摂食可能となる再建が求められる。
下咽頭部分切除例の中でも下咽頭部分切除・喉頭半切除術は切除範囲が大きく,欠損の形態は複雑である。切除範囲は,喉頭部分として患側の披裂間切痕から披裂喉頭蓋ヒダ,声帯,甲状軟骨,腫瘍の広がりによっては輪状軟骨の切除が行われる。下咽頭部分としては梨状陥凹の粘膜が,喉頭側から咽頭側にかけ,上下方向には腫瘍の広がりによって食道入口部から舌根側にかけて欠損が生じる。その切除範囲は三次元的で広範囲にわたり,再建を行ううえでもその解剖学的な再構築の理解が必要となる(図1)。われわれは皮弁の選択として,欠損の三次元的な再現が可能で,喉頭腔に粘液の流入の生じない前腕皮弁を用いて再建を行っている。
下咽頭部分切除・喉頭半切除術は,喉頭機能を温存できる術式として今後その術式の確立が期待される。われわれの施設では2002年2月~2003年6月の間,下咽頭部分切除・喉頭半切除例9例を経験したのでその再建方法について考察した。
下咽頭癌手術症例では,治療成績の蓄積と再建方法の確立により術後のQOLを重視した切除,再建が求められる。下咽頭癌手術は,下咽頭全摘,亜全摘,部分切除とその切除範囲,切除方法により様々な皮弁の選択や再建が行われている。下咽頭部分切除術は喉頭機能を温存し気道発声が可能であるが,さらには術後の嚥下障害の生じない,摂食可能となる再建が求められる。
下咽頭部分切除例の中でも下咽頭部分切除・喉頭半切除術は切除範囲が大きく,欠損の形態は複雑である。切除範囲は,喉頭部分として患側の披裂間切痕から披裂喉頭蓋ヒダ,声帯,甲状軟骨,腫瘍の広がりによっては輪状軟骨の切除が行われる。下咽頭部分としては梨状陥凹の粘膜が,喉頭側から咽頭側にかけ,上下方向には腫瘍の広がりによって食道入口部から舌根側にかけて欠損が生じる。その切除範囲は三次元的で広範囲にわたり,再建を行ううえでもその解剖学的な再構築の理解が必要となる(図1)。われわれは皮弁の選択として,欠損の三次元的な再現が可能で,喉頭腔に粘液の流入の生じない前腕皮弁を用いて再建を行っている。
下咽頭部分切除・喉頭半切除術は,喉頭機能を温存できる術式として今後その術式の確立が期待される。われわれの施設では2002年2月~2003年6月の間,下咽頭部分切除・喉頭半切除例9例を経験したのでその再建方法について考察した。
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