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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科76巻9号

2004年08月発行

Current Article

咽喉頭異常感への取り組み

著者: 大越俊夫1

所属機関: 1東邦大学医学部耳鼻咽喉科学第2講座

ページ範囲:P.590 - P.601

文献概要

I.はじめに

 咽喉頭異常感とは,患者の咽喉頭における様々な不定愁訴である。呼吸路,食物通過路に当たる咽頭・喉頭部は外界の刺激に曝されやすいため,いったん異常感を感じると訴えは執拗となる。現代社会ではストレスの増加が多く,ストレスにより引き起こされる自律神経機能異常が咽喉頭部の異常感を引き起こすともいわれている1,2)

 本疾患は三宅3)のいうように,「こころ」と「からだ」の要因が複雑に絡み合っており,単一の成因で説明できないことも多く,耳鼻咽喉科における心身症の代表的疾患とされている(図1)。

 本疾患に対し最も注意すべき点は咽喉頭部の悪性腫瘍の存在であり,これを見落としてはならない。しかし,局所所見がない場合,患者は「気のせい,神経質」と放置されている場合も多く,本疾患に対する耳鼻咽喉科医の取り組み方には不十分なものも多い。

 本稿ではまず咽喉頭異常感全体について述べ,その後われわれの施設で研究を行ってきた「下気道由来の咽喉頭異常感」と「咽喉頭異常感患者の心理的要因」について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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