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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科76巻9号

2004年08月発行

原著

咽頭痛,嚥下困難にて耳鼻咽喉科を受診した破傷風の1例

著者: 糸数哲郎1 喜友名朝則1 小田口尚幸2 宮城裕二3

所属機関: 1医療法人敬愛会中頭病院耳鼻咽喉科 2医療法人敬愛会中頭病院内科 3みさと耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.627 - P.630

文献概要

I.はじめに

 破傷風は,土壌に広く分布する破傷風菌(Clostridium tetani)の産生する毒素により,運動神経系の興奮,腱反射亢進から全身の痙攣発作をきたす疾患である。3種混合ワクチンやトキソイドなどの普及により,その発生数は減少しているものの,発症した場合には経過が急速で,適切な処置を行わないと死亡する場合もある。一般に本症は,外傷の既往とそれに引き続いて起こる開口障害,頸部硬直などの典型的な症状が出現すれば,診断は比較的容易である。しかし,その前駆症状である咽頭痛,嚥下障害などで耳鼻咽喉科を受診することがあり1,2),初期症状を見逃さないためにも注意が必要である。

 今回われわれは,咽頭痛,嚥下困難で耳鼻咽喉科を受診し,その後の経過観察中に開口障害,頸部硬直が出現して破傷風と診断した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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