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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科77巻1号

2005年01月発行

特集 顔面神経麻痺

5.末梢性顔面神経麻痺の治療

著者: 青柳優1

所属機関: 1山形大学医学部情報構造統御学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野

ページ範囲:P.35 - P.42

文献概要

Ⅰ.はじめに

 末梢性顔面神経麻痺の原因を表1,治療法を表2に挙げるが,当然のことながら原因疾患や重症度により治療法は異なる。Bell麻痺やHunt症候群で予後不良と判断されるときや,腫瘍性,外傷性,耳炎性などの場合には外科的療法が考慮されるが,悪性腫瘍などの場合,ときには顔面神経を犠牲にしなければならないこともある。その場合には神経吻合や神経移植を行って顔面運動の確保を試みることになる。また,陳旧性となり神経機能の回復が望めないときには形成外科的手術が適応となる。

 顔面神経麻痺では,原因が何であれ発症早期における治療が重要であり,手術による損傷,真珠腫や腫瘍の圧迫による麻痺などを除いて初期治療としては薬物療法が用いられることが多い。薬物の中で最も多く用いられるものはステロイド薬である。末梢性顔面神経麻痺の約10~15%はHunt症候群,約70%はBell麻痺により占められる。前者はvaricella-zoster virus(VZV)の再活性化によるものであり,後者も原因としてherpes simplex virus(HSV-1)の再活性化が強く示唆されている1,2)。したがって,抗ウイルス薬の使用法も重要となる。

 以下,Bell麻痺の治療を中心に顔面神経麻痺治療について概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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