文献詳細
原著
文献概要
I.はじめに
小児の嚥下障害の原因には様々な疾患が挙げられるが,その頻度は明らかではない。出生率は年々低下しているが,2,500g未満の低出生体重児は逆に増加傾向にある1)。また,ここ10年ほどの間に,仮死状態での出産などで継続的な医療介護を必要とする障害児の存在が顕在化している1)。特に重度障害児における嚥下障害は高度で,誤嚥をきたすことより,呼吸障害や上部消化管障害(特に胃食道逆流症)なども重なり病態を悪化させることが多い。
高度な嚥下障害例では,経管栄養や気管切開術を施行しても嚥下性肺炎を反復することが多く,気管と食道を分離することが必要となる。このような症例では,手術の侵襲が小さく,手技が簡便で安全であることから喉頭気管分離術が推奨されている。
今回,中枢神経障害による嚥下障害のため嚥下性肺炎を反復する小児例に対して,喉頭気管分離術を施行し良好な結果を得たので報告する。
小児の嚥下障害の原因には様々な疾患が挙げられるが,その頻度は明らかではない。出生率は年々低下しているが,2,500g未満の低出生体重児は逆に増加傾向にある1)。また,ここ10年ほどの間に,仮死状態での出産などで継続的な医療介護を必要とする障害児の存在が顕在化している1)。特に重度障害児における嚥下障害は高度で,誤嚥をきたすことより,呼吸障害や上部消化管障害(特に胃食道逆流症)なども重なり病態を悪化させることが多い。
高度な嚥下障害例では,経管栄養や気管切開術を施行しても嚥下性肺炎を反復することが多く,気管と食道を分離することが必要となる。このような症例では,手術の侵襲が小さく,手技が簡便で安全であることから喉頭気管分離術が推奨されている。
今回,中枢神経障害による嚥下障害のため嚥下性肺炎を反復する小児例に対して,喉頭気管分離術を施行し良好な結果を得たので報告する。
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