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原著
耳下腺に発生した悪性リンパ腫の検討
著者: 李佳奈1 大月直樹2 志水賢一郎2 石田春彦2 鹿股直樹3 丹生健一2
所属機関: 1三田市民病院耳鼻咽喉科 2神戸大学附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科 3神戸大学附属病院病理部
ページ範囲:P.741 - P.746
文献購入ページに移動悪性リンパ腫は,全身のあらゆる臓器から発生する疾患であるが,耳下腺に発生するものは比較的少ない1,2)。耳下腺に発生する悪性リンパ腫(以下,耳下腺悪性リンパ腫)は,理学所見および画像診断で特徴的な所見が乏しいため,ほかの耳下腺腫瘍との鑑別が困難である。良性腫瘍の診断のもとに摘出手術が行われ,術後に悪性リンパ腫と判明する場合も少なくない。病理組織学的にも診断は容易でなく,近年,過去の病理組織標本の再検討により悪性リンパ腫と診断が変更される症例も報告されているA3)。今回,筆者らは,過去10年間に耳下腺悪性リンパ腫と診断された5例を対象に臨床的特徴,画像検査所見,治療法,予後を検討し,診断上の留意点につき文献的考察を加えた。
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