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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科77巻11号

2005年10月発行

特集 副鼻腔炎

3.副鼻腔炎の診断

著者: 洲崎春海1

所属機関: 1昭和大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.805 - P.809

文献概要

Ⅰ.はじめに

 副鼻腔炎は,副鼻腔の骨病変も含むが,主として副鼻腔粘膜の炎症疾患である。副鼻腔炎は,古くは細菌による炎症と考えられてきたが,今日ではさまざまな原因が存在することが認識されている。特に,慢性副鼻腔炎の病態形成には種々の因子が関係していると考えられているが,いまだ不明な点も少なくない。副鼻腔炎の多くは,鼻炎に引き続き生じるので,欧米では副鼻腔炎(sinusitis)よりも鼻副鼻腔炎(rhinosinusitis)の用語のほうが適切であるとの考えがあり,鼻副鼻腔炎と呼ばれることが多い。しかしながら,副鼻腔炎には歯性上顎洞炎などのように鼻腔を経由しない感染経路もあり,鼻炎症例で副鼻腔に炎症がない例も多い。本稿では,わが国で従来から用いられている副鼻腔炎の呼称を採用することとする。

 副鼻腔炎を診断するに当たっては,急性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎の定義の問題,亜急性副鼻腔炎や反復性副鼻腔炎の取り扱い,ウイルス性副鼻腔炎と細菌性副鼻腔炎の区別など整理しなければならない問題もある。また,最近ではアレルギー性副鼻腔炎1),アレルギー性真菌性副鼻腔炎2),好酸球性副鼻腔炎3)といった病態が提唱されているが,その病態や定義は不明な点が少なくない。したがって,本稿では,これらの病態の診断には触れないこととする。本稿では,今までわが国においてある程度のコンセンサスが得られている副鼻腔炎の診断事項について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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