文献詳細
原著
蝸牛骨化を認めた好酸球性中耳炎の1例
著者: 岩崎聡1 今井篤志1 細川誠二1 橋本泰幸1 名倉三津佳1 武林悟1 水田邦博1 峯田周幸1
所属機関: 1浜松医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.93 - P.97
文献概要
好酸球性中耳炎は,膠状の耳漏と耳漏・中耳粘膜への多数の好酸球浸潤を特徴とする難治性の中耳炎である1)。気管支,鼻・副鼻腔にも著しい好酸球の浸潤を伴い,成人発症型の気管支喘息,慢性副鼻腔炎を高率に合併する特徴をもつ。伝音性難聴から骨導閾値の悪化を伴い,聾に至る場合もある2~4)。
今回われわれは,気管支喘息と慢性副鼻腔炎の既往があり,両側好酸球性中耳炎に罹患し,両側聾となった症例に対して人工内耳手術を施行し,現在8年8か月経過した症例を経験したので報告する。
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