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特集 聴力改善手術
8.人工内耳
著者: 河野淳1
所属機関: 1東京医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.175 - P.186
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1.人工内耳とは
人工内耳とは,高度難聴または聾により補聴器でも十分な聞き取りができない人の聴覚獲得を行う治療法であり,世界では1980年頃からほぼ現在と同様な形となり,本邦でも1985年に導入され早20年になろうとしている。人工内耳手術は,中耳から蝸牛へ電極を挿入,埋め込む手術であり,中耳手術や内耳手術に比べて特殊といえる。一般にその障害部位は内耳蝸牛有毛細胞であり,中耳や内耳の形態は正常であることが多いが,良好な聴取能を得るためには手術を成功させ,かつ術後の合併症を最小限にする必要がある。最近では小児の手術例が増えてきており,特に2001年から開始された新生児聴覚スクリーニングが普及するに伴い,今後人工内耳の治療はより低年齢化することが予想される(図1)。
1.人工内耳とは
人工内耳とは,高度難聴または聾により補聴器でも十分な聞き取りができない人の聴覚獲得を行う治療法であり,世界では1980年頃からほぼ現在と同様な形となり,本邦でも1985年に導入され早20年になろうとしている。人工内耳手術は,中耳から蝸牛へ電極を挿入,埋め込む手術であり,中耳手術や内耳手術に比べて特殊といえる。一般にその障害部位は内耳蝸牛有毛細胞であり,中耳や内耳の形態は正常であることが多いが,良好な聴取能を得るためには手術を成功させ,かつ術後の合併症を最小限にする必要がある。最近では小児の手術例が増えてきており,特に2001年から開始された新生児聴覚スクリーニングが普及するに伴い,今後人工内耳の治療はより低年齢化することが予想される(図1)。
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