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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科77巻6号

2005年05月発行

特集 囊胞性疾患

2.上顎洞以外の副鼻腔囊胞

著者: 春名眞一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.364 - P.369

文献概要

Ⅰ.はじめに

 上顎洞以外の副鼻腔囊胞として,篩骨洞囊胞,蝶形骨洞囊胞,前頭洞囊胞が挙げられる。副鼻腔囊胞の中では上顎洞囊胞の発生頻度が最も高く,上記の3つの囊胞の発生頻度はかなり低い。しかしながら,ひとたび発症した場合には,囊胞壁が視神経および頭蓋底に接しており,合併症の発生する危険性が高い1)。眼症状を呈することが多く,当初は眼科を受診することが多い。眼科医がCT画像を撮影して囊胞を確認し,早く耳鼻咽喉科に依頼すれば治療も早く開始できる2)

 以下,鼻・副鼻腔の前部副鼻腔(前篩骨洞と前頭洞)囊胞と後部副鼻腔(後部篩骨洞と蝶形骨洞)囊胞に分けて述べる。

参考文献

1)青木和博・他:高度視力障害を来した後部篩骨洞嚢腫の4症例.耳展22:803-811,1979
2)春名眞一:鼻性眼合併症.耳鼻咽喉科救急医療マニュアル.MB ENT44:67-73,2004
3)森山 寛・他:後部副鼻腔嚢腫.耳展24:465-479,1981
4)関 哲郎・他:後部副鼻腔嚢胞の開放中に大出血を来した内頸動脈瘤の1症例―その成因に関する考察―.耳展37:198-205,1994
5)鴻 信義・他:ナビゲーションシステムを利用した内視鏡下鼻内副鼻腔嚢胞開放術.耳展42:283-288,1999
6)Nakanishi M, et al:Outcomes of frontal marsupialization:Endonasal and external approaches. Am J Rhinol 18:247-252, 2004
7)月館利治・他:前頭洞嚢胞に対する手術法の検討とその予後―嚢胞交通路の開存率を中心に―.耳展41:609-614,1998
8)和田弘太・他:前頭洞嚢胞に対するナビゲーションサージャリー.耳展45:355-361,2002
9)Draf W:Endonasal micro-endoscopic frontal sinus surgery, the Fluda concept. Oper Tech Otolaryngology Head Neck Surg 2:234-240, 1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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