耳鼻咽喉科・頭頸部外科77巻8号

2005年07月発行

原著

前頭洞真菌症の1症例

著者： 山下安彦¹ 米田孝明¹ 岡野光博² 妹尾一範³ 園部宏⁴

所属機関： ¹福山医療センター耳鼻咽喉科 ²岡山大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 ³三原赤十字病院耳鼻咽喉科 ⁴福山医療センター臨床検査部

ページ範囲：P.581 - P.583

I．はじめに

　副鼻腔真菌症はしばしばみられる疾患である。その多くは上顎洞に認められるが，前頭洞にみられるものは少なく，前頭洞のみにみられるのは1.8％^2），6.8％^3），6.8％^4）と報告されている。今回われわれは，前頭洞のみに発生した副鼻腔真菌症の1例を経験したので報告する。

参考文献

1）Draf W, et al：Modern concepts of frontal sinus surgery.Laryngoscope 111：137-146, 2001

2）Klossek JM, et al：Functional endscopic sunus surgery and 109mysetomas of paranasal sinuses. Laryngoscope 107：112-117, 1997

3）Jorge A, et al：Paranasal sinus fungus ball. Head＆Neck19：481-486, 1997

4）佐伯忠彦・他：副鼻腔真菌症の臨床的検討．耳鼻臨床89：199-207，1996

5）早野嘉晃・他：前頭洞アスペルギルス症例．耳鼻臨床93：541-545，2000

6）Pretti N, et al：Invasive and allergic fungal sinusitis. Current infection disease report 4：225-232, 2002